「しんぶん赤旗」2008/2/5
被爆者援護の改善要求
 長崎県に「地域拡大連絡会」


 長崎被爆地域拡大連絡会(峰松巳世話人代表)は一日、長崎県に対し、被爆者援護の抜本的改善を求める要望書を提出しました。

 要望書は、被爆体験者事業を創設時の制度に戻すことや「ガン」を医療費支給の対象にすること、すべての「被爆体験者」に被爆者援護法にもとづく被爆者手帳を交付することなど八項目を求めています。 

 会のメンバーは、自らの被爆体験を語りながら、被爆者を距離で差別することや被爆の記憶がない人を対象外としたこと、認定制度、再審査での問題点などを指摘。「医者の診断があるのに却下するような非科学的な制度は改めてほしい」「同じところで被爆した家族でありながら手帳がもらえない人がいる」「なぜ、ガンが被爆と関係ないのか」などと訴えました。

 応対した県原爆被爆者対策課の藤田邦行課長は、「被爆体験者事業については市とともに創設時に戻すよう要望していく。国は精神疾患をポイントにしておりハードルは高い」とのべました。

 同会では、十六日にも長崎市に対し、同様の申し入れを行いました。

 峰世話人代表は、「政府は原爆の被害を小さく見せようとしている。戦争被害は受忍せよという考え方が根本にある。科学的な根拠も示しながら、市や県といっしょに運動を広げていきたい」と語りました。