「しんぶん赤旗」2008/1/26
諌早湾干拓
農業用水で質問書
市民団体が長崎県知事に

 諫早干拓農地の農業用水について、県知事がこれまでの見解と異なる発言をしていることについて、諫干への公金支出をやめさせる会と諫早湾の干潟を守る諫早地区共同センターは金子原二郎県知事に対し、質問書を提出しました。

 これは、今月九日、金子知事が記者会見のなかで、干拓農地で使う水は調整池の水ではなく、本明川の水であると述べたことを受けたものです。

 質問書は、知事の発言は調整池の水が農業用水には適していないことを認めたことではないか、調整池の水を使わないのであれば淡水湖にしておく必要はなく、開門できるのではないか、など五項目について質問しています。

 共同センターの高村暎(あきら)氏は質問書を秘書課の櫻井毅課長補佐に手渡し、「知事の真意は何か。情報を意図的に捻じ曲げている。行政の長として責任重大だ」と批判。諫干農地住民訴訟の判決の日でもある二十八日までに文書で回答するよう求めました。

 これまで国や県は、干拓地で使う水は調整池の水であると説明。開門ができない理由にしてきました。

 一行はその後記者会見し、「知事の発言は水質検討委員会の報告と異なっている。『偽』の情報だ。知事の発言はマスコミへのけん制」「諫干ブランドのイメージが悪くなるのを恐れている。調整池の汚染を認めるなら、開門すべき。営農を阻害しないで有明海を再生させる方法はある」と述べました。