「しんぶん赤旗」2007/11/28
原爆症 生きているうちに認定を
長崎地裁で被爆者が証言

 原爆症認定を求めて提訴している第二次訴訟の原告団(十四人)の口頭弁論が二十六日、長崎地裁で行われました。

 この日陳述したのは、長崎市に住む松浦末雄さん(80歳)。
 松浦さんは、十八歳のとき、爆心地から二・四qの長崎市立山町で被爆。ものかげにいたためやけどはしませんでした。
 二日後、友人の妹を捜すため、爆心地を歩きまわりました。被爆から一週間ほどで、嘔吐と下痢の症状。一か月続きました。その後も、腎臓摘出や胃がんなど手術を繰り返しました。現在も腹部に痛みがあり、毎日鎮痛剤を飲んでいます。

 松浦さんは、平成十八年六月原爆症認定を申請しましたが、厚労省は十二月却下。これ以上待てないと提訴しました。
 「私は今、死ぬ日が来るのを楽しみに生きています。痛みから解放されるからです。厚労省には、誤りを認めて、正しい原爆行政をしてもらいたい」と陳述。生きているうちに原爆症の認定をしてもらいたいと訴えました。

 第一次訴訟は既に結審していますが、判決の期日はまだ決まっていません。

 約二十六万人といわれる被爆者のうち、原爆症と認定されているのはわずか二千人であり、一%にも足りません。
 長崎原爆被災者協議会などは来月、原爆症認定基準の緩和を求めて厚労省などと交渉する予定です