2007年11月19日(月)「しんぶん赤旗」

諫早干拓 問題山積み

あす完工式 公金支出違法訴え


 九州農政局が二十日予定している諫早湾干拓の完工式を前に、諫早干拓農地住民訴訟の判決へ向け、県下でキャラバン行動を行なっている「諫干への公金支出をやめさせる会」は十八日、長崎市内で街頭宣伝を行いました。

 チトセピア前では、ハンドマイクで、諫早湾干拓の問題点や公金支出の違法性を訴え、ビラを配布しました。

 会のメンバーは「工事が終わっても、諫早湾干拓は終わりではない。解決しなければならない問題が山積している」と指摘しました。

 「アサリの全滅は調整池の汚れた水が原因とも言われている。これまで調整池の水質改善に四百億もの税金が使われたが一向に改善されていない。今後、水質改善にさらに巨額の県民の税金が使われようとしている」と述べ、「有明海再生のために開門を」と訴えました。

 さらに、県が干拓農地を取得する農業振興公社の五十一億円の借入金の肩代わりをすること、それが公社から全額返済されるのが九十八年後という非常識な返済計画を批判しました。

 宣伝を聞いた市民は「干拓は終わりと思っていたが、これからも県民の税金をつぎ込むと聞いて驚いている。県は財政再建団体になるかもしれないと言っているのに大丈夫なのか。一体誰のための干拓だったのか」(七十代女性)と話していました。