しんぶん赤旗」2007/11/02
五島市富江高校
教育受ける権利奪うな
堀江県議が高校存続で調査

 長崎県の五島市では、県立富江高校(写真)の「廃校」反対運動が広がっています。9月議会で存続の立場から追及した日本共産党の堀江ひとみ県議は10月31日と1日、現地視察し、学校関係者や存続を求める地元住民と懇談しました。

伝統校が閉校 進学にも影響も

 五島市には四つの高校があり、「閉校」対象になっている富高は、市町村合併で五島市になる前の旧富江町の中心部にあります。

 昨年度創立四十周年を迎えた伝統校。現在生徒数114人で、町の富江中学出身者が全体の67%も占める、地域の“おらが高校”でもあります。
 富高「閉校」は、生徒数の減少を口実にした長崎県教育委員会の「高校統廃合計画」の一つです。2011年「閉校」計画は、富高以外に、野母崎高(長崎市)、松浦東高(松浦市)です。計画では中学2年生が高校受験のときには富高は「閉校」されていることになります。

 堀江県議は、橋本憲治、江川美津子の両五島市議とともに富高と富中を訪問。富中の坂本泰蔵校長は「心配しています。ほぼ100%高校に行く時代。富高がなくなると、金銭的、距離的なことを考えて進学を断念する子が何人もでるかもしれない。子どもたちに教育を受ける機会・権利を奪うことになるのがつらい」と心情を語りました。

存続を求める署名運動開始
 富中では、中二の生徒と保護者のなかで自主的に、存続を求める署名運動を始めていました。
 夕方からは「存続を求める会」のメンバーと、今後の活動について意見交換。堀江県議は、九月議会での自身の質問議事録と、高校生と地元の粘り強い訴えで高校存続をかちとった長野県の実例を載せた雑誌「議会と自治体」のコピーを手渡しながら、「計画はまだ決まっていません。直接の当事者の高校生と地元が存続のため声を大きくあげることが、決定的な威力を発揮すると思います」と激励しました。

 中三と中二の息子がいるという堀口てるみさん(39)は「二人とも富高をと思っていたけど、突然の計画にあわてています。距離的に遠い福江の高校に行ったらクラブ活動の時間が取れない。子どものために残してほしい」と訴えました。