「しんぶん赤旗」2007/9/26
佐世保
自衛隊特措法講演
「政治的中立捨て、異常だ」

 九州防衛局は一九日、佐世保市内で防衛問題セミナーを開催、市民約六百人が参加しました。

 講演では尾澤克之防衛大臣官房審議官らが、「テロに立ち向かう自衛隊」のテーマで講演。9・11以来、世界で頻発するテロの状況やインド洋で洋上給油をする自衛隊の活動などをプロテクターを使い、写真や図で紹介。「テロ特措法」に基づく自衛隊の活動が、国連の安保理決議を踏まえたものであり、国際社会の連帯した取り組みであることが強調されました。

 会場からは、「特措法延長に反対の意見があるが」「自衛隊の活動は憲法九条に抵触しないか」などの質問が出され、尾澤審議官は「自衛隊はテロ防止に主体的に協力しており、高い評価を得ている。国際的に要望されていることを理解してもらいたい」、「給油活動は協力支援活動であり、武力の行使はしていない。法に基づく行動しかできない」と答えました。

 参加した日本共産党の山下千秋佐世保市議は「あくまでアメリカ言いなりにテロ報復戦争参戦に執念をみせる政府の意図を感じる。しかも、報復戦争が国連決議にそったものというごまかし、国民の支持を得ようというもの。現職自衛官まで政治的中立の原則さえ踏みにじり、公然と給油活動への理解を訴えるなど異常なセミナーとなった」と語りました。