「しんぶん赤旗」2007/9/21
自決用手榴弾も配られた
使い方教えた日本軍
長崎で「沖縄戦」語る


 九・一八「靖国」と「「侵略」を考える市民のつどい(長崎県靖国法案阻止共闘会議主催)が十八日、長崎市内で開かれました。

 集会では、「沖縄戦集団自決を語る」として瑞慶覧長方(ずけらん ちょうほう)さん(75歳)が講演、八十人が耳を傾けました。

 瑞慶覧さんは、当時十三歳。友軍(日本軍)に日本刀で脅されて壕を追い出され、家族と逃げ惑いました。その途中には累々とした死体。

 「追いつめられた島民に投降を勧めに来た捕虜の首を日本兵が目の前ではねたときは血が凍った」「自決用の手榴弾は軍から村長を通して配られた。使い方も軍が教えた」と沖縄戦の悲惨さや日本軍の実態を生々しく語りました。

 瑞慶覧さんは、「集団自決に日本軍の関与はなかった」と文部科学省が高校教科書の修正を強要した問題を厳しく批判、県知事をはじめ保守を含め、沖縄では島ぐるみのたたかいが巻き起こっていることを報告。「今、時代が逆戻りしている。当時の徹底した皇民化教育が何だったのか、生きのびた以上伝えていきたい」と語りました。

 集会に参加した井形和子さん(70)は「このことに関しては報道も少ない。本土は沖縄の痛みに対して鈍感になっていないか。島ぐるみの運動をしている沖縄との温度差を感じる」と話しました。