「しんぶん赤旗」2007/9/11
諌早湾干拓への支出は違法
長崎地裁で結審 12月に判決


 諫干農地への公金支出差し止め訴訟の結審が十日、長崎地方裁判所で行なわれ、支援者など六十人が傍聴しました。

 この日は、馬奈木昭雄弁護団長ら三人が陳述。
 岩井三樹諫早湾の干潟を守る長崎県共同センター事務局長は、堤防閉め切り後起きている有明海の異変とそれによって漁民らが自殺に追い込まれるなど悲惨な事態が続いていることなどをあげ、県の不誠実な対応を批判しました。
 後藤富和弁護士は、県は農業振興公社を隠れ蓑にしているに過ぎず、実質的には県が干拓農地を一括配分を受けたものと評価すべきであり、違法性は明確だと述べました。

 裁判後行なわれた報告集会で、馬奈木団長は、「借入金を九十八年かかって返済することの違法性は明らか。この裁判は必ず勝つ。しかし、県にこの計画をやめさせられるかどうかは県民の世論にかかっている。計画が進めば漁民のみならず、農民、県民にまで被害が及ぶ。判決まで反対の県民世論を盛り上げよう」と呼びかけました。

 この裁判は昨年八月二十三日、長崎地裁に対し、県が諫早干拓農地へ公金支出することに対し、これに反対する県民が差し止め請求を起こしたもの。これまでの七回の裁判で原告側は三十一名が陳述しましたが、被告の県は一切陳述しませんでした。
 判決は、十二月十七日に言い渡されます。