2007年9月5日(水)「しんぶん赤旗」

諫早湾 養殖アサリ大量死

漁民の声聞き救済を

長崎県に党県議ら要望


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写真)アサリの大量死の原因究明と被害補償などを申し入れる堀江県議(中)、田村氏(右)ら=4日、長崎県庁内

 長崎県諫早市小長井町で養殖アサリが大量死した問題で日本共産党の堀江ひとみ県議、田村貴昭衆院九州・沖縄比例ブロック候補らは四日、金子原二郎県知事に対し、諫早干拓事業と漁業被害との因果関係の究明、漁業被害補償制度の確立など六項目の要望書を提出しました。

 八月三十一日の農水省九州農政局(熊本市)に対する緊急申し入れに続くものです。

 申し入れで堀江県議は、養殖アサリの大量死は調整池(潮受け堤防内側)の北部排水門から排出された“汚れた水”が最大の原因であり、従来の赤潮被害とは異なる、とする漁民らの声を紹介。

 これらを裏付ける七―八月の同水門からの排水実績を提示し、被害は“赤潮が原因”とする県の姿勢をただしました。

 応対した県水産部、農林部諫早湾干拓室の担当者らは、排水とアサリの大量死との因果関係について「直結するとは考えていない」と否定。

 その一方、「赤潮自体でアサリが死ぬ(全滅)のは見られない傾向だ」とものべ、被害には複合的な要因がある、とする考えを示しました。

 申し入れ後の記者会見で、堀江県議は申し入れについて「北部排水門からの“汚れた水”が被害を広げた、という漁民の皆さんの声を(県に)届けたいというのが一番の目的」とのべたうえで、「漁民はいまも多額の債務を抱えており、(赤潮などの)自然災害で片付けられてしまうと、その後の漁業補償がなくなる」と強調。漁民らの被害補償について県の対応を強く要望しました。