「しんぶん赤旗」2007/9/2
アサリの大量死
諌早湾干拓との関連究明を
 田村衆院候補、堀江県議らが九州農政局に申し入れ


 諫早市小長井町で養殖アサリが大量死た問題で、日本共産党の田村貴昭衆院比例候補、堀江ひとみ県議、地元市議らが8月31日、諌早湾干拓事業を管轄する農林水産省九州農政局整備部農地整備課に対して緊急申し入れを行いました。
 漁業被害の掌握、漁民の生活支援、諌早湾干拓事業と漁業被害の因果関係の究明などを求めた要望書を提出しました。

 アサリの大量死は8月末に発生。諌早湾干拓・潮受け堤防の北部排水門に近い養殖場ほど被害が甚大になっています。県の調査では同市金崎、長里地区では全滅、他の地区でも被害が拡大しています。

 漁民らによれば、通常の赤潮では被害を受けないとされるアナジャコなども死滅。「調整池からの排水に最大の原因がある」との指摘もあります。

 この日の申し入れで田村氏らは、調整池からの排水とアサリの大量死との因果関係が疑われるとして、▼今年4月以降一度もなかった北部水門からの排水を7月に開始、時期を同じくして「海水がしょうゆ色になり魚が網にかからなくなった」との漁民の証言▼8月25日の調査でアサリのへい死率が14%だった長戸地区で、同日、約4百60万立方メートルもの「汚れ水」が調整池から排水されたとたんに全滅になった−などの例をあげた説明しました。

 対応した横井績(いさお)課長は「赤潮では説明つかいなという漁民の声はある」と認めました。今後、県がまとめる被害資料も「そうした観点から見てゆく」としています。