「しんぶん赤旗」2007/8/2
認定制度見直すべきだ
長崎地裁で原爆訴訟が結審

 長崎の原爆症認定集団訴訟の結審が三十一日、長崎地方裁判所でおこなわれました。支援者ら六十人が傍聴するなか、森内實原告団長(70)、下平作江(72)さんらが陳述しました。

 陳述に立った森内団長は、「原爆症認定制度を根本的に見直すべきです。私たちをこれ以上苦しめることはやめてください。私たちは生涯、不安と病気を持って生きていかなければならないのです。現状を理解してこそ、被爆国として、六十二年たった現在でも原爆被害が続いていると、全世界に核兵器廃絶を本気で強く訴えることができるのではないでしょうか」と述べました。

 宮原哲郎全国弁護団事務局長は、「この間の判決を無視し続ける国の態度は、被爆者の心をふみにじる久間発言と全く同質のもの。国は理性的な判断をできなくなっている」ときびしく批判しました。

 長崎では三十八人の原告が原爆症の認定を求めて裁判をたたかっています。提訴から六人が亡くなり、遺族が裁判を引継いでいます。
訴訟支援会が宣伝

 原爆症認定集団訴訟を支援する会・長崎では三十一日、同日結審する裁判への支援を市民によびかけるため、長崎市鉄橋で宣伝、署名活動をおこないました。
 山田拓民被災協事務局長はマイクを握り、「厚生労働省は原爆症認定のあり方をきびしく批判する判決が相次いでいます。昨日も熊本地裁で勝利しました。厚生労働省は反省するどころか、控訴を繰り返してます。ただちに厚労省は審査のあり方を変えなくてはなりません」と訴えました。
 原告や支援する会の会員がビラを配り、裁判所に公正な判断をおこなうよう要請する署名をよびかけました。市民らは足を止めて署名に応じていました。一時間あまりの行動で百十一筆の署名が寄せられ、関心の高さを示していました。
 会には、五万の目標に対し、これまでに四六、七一六筆の署名が寄せられています。