諫干公金支出訴訟
県計画の矛盾明らかに


 諫早干拓農地住民訴訟第六回裁判が三十日おこなわれ、原告、支援者など四十人がかけつけました。

 この日、原告ら四人が陳述。原告の荒木英雄さんは、諫早干拓農地を見学した感想を述べ、この農地が欠陥農地であることや営農計画の矛盾を指摘しました。

 この裁判のなかで、農地取得の財源について、長崎県から県農業振興公社への五十一億円の貸付が元金返済の目処がないことが明らかになっていましたが、二十四日、金子原二郎県知事は定例記者会見のなかでこの問題について述べました。

 公社が土地改良事業として地元負担金五一億円のうち六分の五を無利子で借入、六分の一については農林漁業金融公庫から借入すること。公社は県の貸付金等で二十五年間で返済し、県は、その後七十五年かけて回収するということを明らかにしました。

 これについて原告代理人の堀良一弁護士は陳述のなかで、無利子融資の制度は、借入主体の要件や支援対象要件、手続き要件でも適用の余地がなく、適用するなら制度の目的外流用に他ならない、貸付金を百年かかって回収するなど荒唐無稽だときびしく批判。
 干拓農地の現地説明会を開くなど、既成事実を積み重ねようとしていることは無責任だと述べました。

 「諫干への公金支出をやめさせる会」は報告集会のあと、長崎県庁の干拓推進室を訪れ、長崎県知事宛に、公金支出差止訴訟の判決があるまで、農業者募集の手続きなど一切の手続きを中止するよう、要請書を提出しました。