「しんぶん赤旗」2007/07/25
被爆体験者から医療証取り上げ
国は制度を元に戻して
赤嶺衆議院議員と懇談


 赤嶺政賢衆院議員は二十日、長崎市役所を訪れ、国の制度改悪で多くの被爆体験者が医療受給者証を取り上げられた被爆体験者支援事業について、出口静夫原爆被爆対策部長から詳しい報告を受けました。
 
同事業は、被爆未指定地域住民の半世紀にわたる運動を反映して、〇二年に実施されたもので爆心地から半径十二キロ以内を特例地域として追加指定し、被爆体験による精神的な疾病などに対して、医療費の支給をおこなっているものです。

 ところが、国は〇五年に制度を改悪。これまで支給対象になっていた人約一万人のうち約三千人から医療受給者証が取り上げられました。三年前の創設時の制度にはなかった「被爆体験の記憶がない人は適用除外」となったため、被爆当時幼児だった人や、認知症の人、高齢により記憶が薄れた人などが、適用除外となりました。

 長崎市は、国に対し、「創設時の制度に戻してほしい」と再三要請していることが報告されました。

 赤嶺議員は、「被爆体験者支援事業の改善に引き続き、力を尽くしたい」と述べました。

 続いて、赤嶺議員は被爆体験者者との懇談会に出席。参加者からは「九十六歳の高齢者が今回打ち切られた」「被爆体験の記憶のあるなしで判断するのはおかしい」「国は、被爆体験者は放射能被害はないといって、ガンを除外したが、ガンを摘出しても手帳は使えない」「国の被爆者棄民政策だ」など、制度改悪に怒りの声が相次ぎました。

 赤嶺議員は「政府は先の戦争に対する反省もなければ、犠牲者に対する支援、補償もない。政府の責任を追及し、みなさんの願いを国会で実現するよう奮闘する。ともにがんばりましょう」と被爆体験者らを激励しました。