「しんぶん赤旗」2007/6/28

「靖国DVD」研修計画

島原青年会議所 中学生に台湾旅行

長崎・共産党中止を要求


 靖国DVD」を製作した青年会議所が、侵略戦争を美化する台湾視察・研修を長崎島原地域の中学生向けに画策していることが二十七日までにわかったため、日本共産党の上田篤雲仙市議らは同日、雲仙市教育委員会に、研修の中止を求める緊急の申し入れをしました。

 問題の研修会は、島原青年会議所が、二〇〇七年度青少年育成事業として計画する三泊四日の台湾視察です。視察研修では、青年会議所製作の「靖国DVD」の視聴も研修に入っています。チラシによると島原市、雲仙市、南島原市と各教育委員会が後援しています。

 上田篤市議が、島原青年会議所に問い合わせたところ、島原半島のすべての中学校で配られることになっていることがわかりました。

 案内のチラシには「中学生を対象に、第二次世界大戦後の日本における近現代史教育を見つめ直し、第二次世界大戦時の日本、とりわけ戦時中における「先人達の思い」等を考えることによって、現代の子ども達に欠如しがちな「思いやりの心」育成、日本人としての「誇り」の再構築等を目的として」実施するとあります。「日本人よありがとう」(ラジャー・ダド・ノンチック元上院議員)と題する詩も掲載されています。

 申し入れには、石丸完治同地区委員長、上田篤雲仙市議ら三人が参加。申し入れは、「先の大戦が侵略戦争でなく、『自衛のための戦争』で正しいものだという考えを中学生に教え込む企画だ。『村山談話』や、戦後日本の出発点を否定するものであり、断じて許されない。案内チラシの回収と後援の取り消し、生徒、保護者にお詫びの文書の配布を」と強く要望しました。

 対応した雲仙市教育委員会の和田実生涯学習課長らは、「青年会議所は昨年、一昨年とファームステイなど子どものための研修をしており、そういう団体ということで後援した。内容についてそういう指摘があれば、申し入れの中身を検討したい」と答えました。