「しんぶん赤旗」2007/5/09
ふるさと再発見
「中生代地層」見学会

長崎の自然と文化を守る


 「ふるさと再発見を」と、長崎の自然と文化を守る会(山本誠一世話人)は二日、「植物化石層」など長崎市茂木町に残る貴重な地質層の見学会を開きました。地元の歴史懇談会の人たちら十数人が参加しました。

 四十年間にわたって長崎の山野を調査してきた自然史研究家の布袋厚氏が案内しました。

 茂木の地質層は約六百万年前(新生代)の「植物化石層」として有名。約百年前に外国の探検家に発見され戦前から住民によく知られています。
 さらに海岸線に突き出た赤崎鼻は、中生代のジュラ紀(約二億年前)の変成岩と白亜紀(恐竜時代)の地層が露出し、新生代の長崎火山による山体崩壊の堆積層からなる三つの地層を同時に観察できる貴重な場所。白亜紀に生息したアンモナイトの化石も発見されています。

 「浸食がすすみ五年前、十年前と全然違う」と話し合いながら、斜めに走った地層の形や色、堆積物の違いを確認していきます。「足もとの岩が白亜紀、すぐ横の細かいしわの寄った黒い岩がジュラ紀の変成岩。ガケの一番下の層の穴は火砕流の流木の痕跡、その上が山体崩壊の層」と説明に熱が入ります。

 「茂木から宮摺に至る海岸線も同じ地層で、滑りやすい」と、浸食がひどい災害現場も確認しました。参加者は「台風のたびに道路が崩れるのもそのためか」と納得の表情。防災が地層と深い関わりがあると知り「目からウロコです」とメモをとっていました。