「しんぶん赤旗」2007/5/19
市長銃殺事件から一カ月
市民集会に170人


 前長崎市長の銃撃事件から一ヵ月目の十七日、同市内の教育文化会館で、5・`「暴力の追放と民主主義の擁護を訴える」市民集会(実行委員会主催)が開かれ約百七十人が参加しました。

 集会では、十七年前に「天皇に戦争責任はあると思う」と発言して右翼から銃撃された本島等・元市長が「暴力に反対し、民主主義を守ろう」と題して講演。「いま、何をなすべきか」をテーマに四人のパネリストによるシンポジウムが行われ、「民主政治の大きな危機」とする市民へのアピールを発表しました。

 本島氏は、今回の事件について「胸につかえた憂うつなものを感じる」と心境を吐露。「人を殺すことは人間を軽く見ること」と、現職市長への二代続けての事件の共通点をのべ暴力追放を訴えました。

 同氏は、伊藤市政で「気になったこと」として原爆投下中心碑問題や新興善小学校跡地問題、市民との対話などをあげ、体験から「市民と話す事が市長の仕事」「少数意見が尊重される市政を」とのべました。

 シンポジウムでは、柴田元市議(日本共産党)が本島銃撃事件当時の状況を報告。右翼だけでなく、自民党県議まで市役所にきて発言撤回を求めるなど異様な光景が続き、「この国には民主主義が定着していないのではないかと実感した」と語りました。

 参加者からは、「本島事件のときは警察も市民も他人事と考えていた。そのことが今回の事件を繰り返させたのではないか」、「事件は長崎における『9.11』。市民として十七日を語り継ぐ日に」などの意見が出されました。