「しんぶん赤旗」2007/4/25
53億円投入するな
    諫早干拓住民訴訟で原告

 諫早干拓農地の不当なリース化に「県民の税金53億円を違法投入するな」と、76人の原告が長崎県を訴えている「公金支出差し止め住民訴訟」の第4回口頭弁論が23日、長崎地裁で開かれました。約50人が傍聴席を埋め陳述に耳を傾けました。

 陳述した原告はノリ漁業の篠塚光信氏と、元諫早市議の福岡洋一氏。篠塚氏は、県内のノリ養殖漁業の現状や減り続ける水産分野の県予算の実態をのべ、「漁業者のための真の有明海再生」を訴えました。

 福岡氏は、岡山県児島湾などの例から「調整池の水質改善には莫大な支出が必要で、諫早市民と県民の負担にされる」と指摘したうえで、公金投入には反対とのべ、「調整池の水質改善は国が実施するように約束を」と主張しました。

 原告代理人の各弁護士は、53億円とされる受益者負担額そのものが「法令上の根拠に基づいていない」と、訴訟の前提にかかわる重大問題を提起。「法令等の改正に従って計算すれば107億円になる」として、被告が53億円の算出根拠を明らかにするように裁判所に申し立てました。

  支出に反対 街頭で署名
 訴訟を支援している「諫早干拓への公金支出をやめさせる会」は同日午後、裁判内容を報告する街頭宣伝をおこない、「10e当たりのリース代2万円は、53億円の利子と運営費だけ」と訴え、公金支出に反対する署名を呼びかけました。