2007/3/17「しんぶん赤旗」
「従軍慰安婦」わい曲発言
首相に撤回求める
長崎の女性25団体

 安倍晋三首相が、「(従軍慰安婦を)旧日本軍が強制した証拠はない」などと発言している問題で、新日本婦人の会や長崎女性史研究会など長崎県内の二十五の女性団体は十六日、一国の首相の発言として「恥ずかしい」と、首相に対し謝罪と発言の撤回を求める抗議文を送付しました。

 抗議文は、一連の安倍首相発言を「過去の事実から目をそらし、女性の人権を軽視している首相自身が日本という国の品格をおとしめている」と指摘しています。
 出席した女性団体の代表は「(従軍慰安婦から)話を直接に聞いたこともある」などと歴史を歪める首相発言への怒りを次々に発言しました。

 安倍首相の発言にはすでに国内外から怒りと反発の声が広がっており、米下院では「慰安婦」問題で日本に公式謝罪を求める決議を支持する動きが急速に強まり、同国の法学者から六年前の連邦地裁判決とも矛盾すると批判されています。

 先の柳沢伯夫厚労相の「女性は生む機械」発言のとき、抗議の昼休みデモを実施した新日本婦人の会県本部の前田保子会長は、「NHKによる改ざん事件や柳沢発言などに続き、日本の首相自身が自らの発言で過去の歴史の事実を消し去ろうとしていることに強い怒りをおぼえる」と語っています。