「しんぶん赤旗」2007/3/1
自由法曹団の裏金調査団
「回答書」への疑問に答えられないままの幕引きはない


 自由法曹団(東京)の「長崎県裏金問題調査団」(団長・松井繁明弁護士)は二十六日、長崎県庁で、金子原二郎知事にあてた「裏金問題に関する要請及び質問書」への「回答書」を受け取り、疑問点の解明を求めました。

 同九州ブロック幹事の堀良一氏ら弁護士七人の調査団とともに、民主団体の代表が同行しました。県出納局の副島重孝副出納長、広沢修身会計課長が応対しました。

 県当局は、知事が裏金の存在を知った後「出納長(当時)に是正を指示」、「出納長は当時の会計課長に指示し、課長は主管課総括補佐会議及び主管課長会議で預けが存在している部署について、その解消を指示した」と説明。その後預け残高一億八千万余円を把握したと報告を受け、「出納長に解消するよう指示し、方法は一任した」「出納長から預けは適正化されたと口頭報告をうけた」と説明しました。

 調査団は、「条例上も議事録をつくるのは原則、本当に会議があったのかも不明。偶然に一枚だけ残っていたという『預け残高』文書も証明に値するものではなく、今でもつくれるもので根拠にならない」と指摘。
 知事のいう「『是正指示』とか『解消指示』とはどういう内容か」「出納長が報告した『適正化された』とはどういう状態になったということか」との具体的質問にも、副出納長らは「解消された、適正化された」と繰り返すだけで、まわりから失笑や怒りの声がとびました。

 回答後の記者会見で調査団は、「裏金で公務に必要なものを購入するのは『適正』と今も考えている印象が強く、わざと文書をつくらなかったとしか思えない。説明に具体性がなく反省を感じない」と、今後も知事の具体的説明を求めると語りました。