「しんぶん赤旗」2006/2/7
10周年の長崎平和研究所
総会と特別講演


 設立十周年を迎えた長崎平和研究所(所長・川原紀美雄県立大教授=長崎市)は四日、同市内で二〇〇七年度総会を開き、長崎を起点とした平和研究・平和教育などの諸課題にこたえる運動と同研究所の基盤強化に取り組む新たな方針を決定しました。四月には「第七期長崎平和研究講座」が始まります。

 総会に先立ち、西南女学院大学の菅英輝教授が「いま日本の外交を考える|米韓・日米同盟・米中関係の現状と将来」をテーマに特別講演しました。

 菅氏は日米同盟の現状について、米国の世界戦略との一体化と自主外交の喪失などの特徴から、「このままでは米国の世界戦略に巻き込まれざるをえない」と指摘しました。

 同氏は、「日本外交には戦略がなかった」として日本外交の問題点と課題を解明。「日米の二国間主義に傾斜しすぎ、理念とビジョンがないまま、憲法に逆らう形で外交が進められた」とのべ、「アジア地域との外交」「多国間主義の国連外交」を重視する自主外交の再構築が必要と強調しました。

 参加者から、「韓国と北朝鮮の関係」や「韓国の対米自立の動きとイラク派兵の関係を知りたい」などの質問が出され、それとの対比で日本外交の歪みがいっそう浮きぼりになりました。