f「しんぶん赤旗」2007/2/4
自由法曹団の裏金調査団
質問に答えない知事では「隠ぺい体質変わらない」

 弁護士らでつくる自由法曹団(東京)の「長崎県裏金問題調査団」(団長・松井繁明弁護士)は一日、同県の金子原二郎知事への二度にわたる「裏金問題に関する要請及び質問書」への回答が「きわめて不誠実でふまじめ」と批判し、誠意ある回答と知事への面会を求め三回目の「要請と質問書」を提出しました。

 同九州ブロック幹事の堀良一氏ら弁護士四人の調査団とともに、県内の民主団体の代表八人が同行しました。

 「質問」の内容は、裏金の存在を知った(一九九九年)後の金子知事の言動を具体的に問うもの。裏金問題を解明するうえで避けて通れない基本的なこととしています。

 堀弁護士らはこの間の経過にふれ、質問に答えないまま、県が「(回答と知事への面会は)最終報告の後に行いたい」として理由ものべないことに抗議。県の対応は「核心部分をことさら避けようとするもの。自ら正直にのべればすむことで知事の対応は不可解。隠ぺいという新たな責任も生じる」と批判しました。

 知事の指示をうけ応対した県出納局の広沢修身会計課長は、最終報告書が出された後の「回答」を繰り返しました。県民に詳細を語ろうとしない知事を擁護する姿勢に、同行した県民から批判が相次ぎました。

 これまでの質問に加えて今回は、「知事の指示などは規定上、文書によらなければならず十年の保存が必要」と指摘、関係文書が存在しない理由は何かなどを問い、二十五日までの回答を求めています。

 県は、裏金問題に関する職員の処分や賠償を検討している検討委員会が、二月初旬に予定している最終報告書を受けて幕引きしたい考えとみられます。