「しんぶん赤旗」2007/02/01
高見大司教 戦争放棄9条すごい
長崎市内の9条の会がつどい

城山地域
講演する高見大司教 原爆で惨害を被った長崎市の浦上や城山地域の「九条の会」が二十七日、相次いで集いを開きました。

 城山地域の「城山憲法九条の会」(共同代表・楠田昌子歯科医師ら二人)は結成二周年のつどいとして、高見三明・カトリック長崎大司教(県九条の会呼びかけ人)の講演を聞きました。

 会場の城山教会(同市若草町)には、カトリック信者や被爆者ら約百五十人がかけつけ憲法九条への思いを一つにしました。

 講演した高見氏は胎内被爆者。「聖職者であっても政治的なことで必要なときに発言する自由はある」と、憲法前文を読み上げ「九条の戦争放棄はすごいこと。決して武器をもつべきではない」「三月にはアメリカの民主党議員とも対話し『九条を守りたい』と訴えたい」と語りました。

 同教会のマイケル・ヒルデン神父は、「日本の政治家でなく、日本国民の平和の思いを伝えてほしい」と高見大司教の渡米に期待を寄せました。 講演を聞いた男性は、「(情報操作などのつくられた現実に)真実を見抜ける目を養わなければ」と話していました。

うらかみ西浦上
 爆心地を含む周辺地域で活動している「うらかみ九条の会」と「西浦上九条の会」は合同で「講演会と映画の集い」を開きました。被爆者ら約五十人が参加しました。

 アメリカの中学生が原爆を描いたドキュメンタリー映画「魔法のランプのジニー」を鑑賞した後、冨塚明・長崎大助教授が「ミサイル防衛と日本国憲法」と題して講演。 冨塚氏は、ミサイル防衛構想(BMD)と米軍基地再編が米軍と三自衛隊を一体化し、米軍の指揮で日本をアメリカ本土防衛の「楯」にしようとする危険なものと指摘。「既存のイージス艦へのBMD機能搭載と、BMD搭載の新イージス艦二隻の建造を三菱重工が独占、長崎造船所がミサイル防衛の拠点とされる」と長崎との関係を強調しました。

 同氏は「憲法を知っている人の七七%は改憲反対。真実を広げ、正義と道理にたって運動をすすめよう」と訴えました。