「しんぶん赤旗」2007/01/20
戦争反対なにがあっても
市長銃撃から17年。自由と民主主義を願う市民のつどい

あいさつする本島等氏
 「第十七回自由と民主主義を願う市民のつどい」が十八日、長崎市立山の長崎歴史文化博物館ホールで開かれました。自治労連・長崎市役所従業員組合(市従組、佐藤幸義委員長)が主催したもの。約百人が参加しました。
   

 一九九〇年一月十八日、本島等・長崎市長(当時)が「昭和天皇に戦争責任はあると思う」と議会答弁し右翼の銃撃をうけたことで、同組合が「言論を暴力で封殺する蛮行を許さない」と毎年開催しているものです。

 来賓として元気な姿を見せた本島氏(84)は、「戦争があり原爆が投下されたことはだれもが知っておくべきこと。その声を喚起することはいいことだった」と当時を振り返り、「いま日本全体がひどい状況、どんなことがあっても戦争反対は貫かなければならない」と訴えました。
講演するパクキョンナムさん
 つどいでは、「私以上でもなく、私以下でもない私」の著者で、命の大切さや人間の尊厳について発言を続けている朴慶南(パクキョンナム)さんが記念講演。事件の発端となった本島氏の発言(当時)に、「勇気と、ゆずれない人間の尊厳・誇りを感じます」とのべました。

 キョンナムさんは、関東大震災(一九二三年九月)を利用した権力者が、多くの朝鮮人らを虐殺した歴史や家族の体験にもふれ、「排外主義や差別の先には戦争がある」とのべ、「戦争をつくりだすのは人間、やめさせることができるのも人間」と、平和へのゆずれない思いを強調しました。

 ハンカチで目頭を押さえながら聞き入る人の姿も多く見られ、市内から参加した女性(59)は「若い人たちにいっぱい聞いてほしいお話でした」と感想を語りました。

 つどいでは、「憲法がうたう平和と民主主義の意義をもう一度確認し、自由と民主主義を守るために力を合わせよう」とのアピールを発表しました。