「しんぶん赤旗」2006/12/15
「蘇れ!被爆大楠」の組み写真など
リアリズム写真集団の「第四十回記念展」


 長崎市出島町の県美術館県民ギャラリーで、「第四十回記念・リアリズム写真集団(JRP)長崎支部写真展」が開かれています。
 長崎市を中心に創作活動を続けている同支部(松尾弘支部長)が毎年開いてきた写真展。四十回の節目に当たり、十五人の作品約二百点が展示されています。

 幼きころに遊び、長崎原爆の惨状を見つめてきた浦上川の今昔にこだわった「鎮魂の川」「回想の川」の三十枚(村里榮)。「巨木の蘇生が人々に生きる歓びを拡げる」と、被爆した楠(クスノキ)の生命力を記録した「蘇れ!被爆大楠」(黒崎晴生)、長崎の街並みを追った「住空間」(松尾弘)「松島の『ゆ』」(松島伊津子)など組写真の力作ぞろいです。

 異色は、江戸中期の職人のしぐさや風俗、生活様式を彫り彩色した「彫り絵」を、ていねいに写しとり記録した「松の森神社職人尽くし彫り絵」(岩嵜勇)の四十枚。

 「菓子製造の図」や「竹篭を編む人」などに見入っていた女性は、「これを写真に記録しようとした発想に敬服しました」と感想を語っていました。
 写真展は十七日までの午前十時から午後八時(最終日は午後五時)まで。入場無料。