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「しんぶん赤旗」2006/12/01
県庁裏金問題知事の責任浮き彫りに
集中審議で中田県議が追及
百条調査が不可欠

大揺れの長崎県庁 県庁ぐるみの裏金づくりをめぐって十一月二十九日に開かれた長崎県議会の「県庁裏金問題」集中審議。六会派十一議員が質問したなか、日本共産党中田晋介晋介県議の追及で浮かび上がったものは。(長崎・田中康)
    
 中田県議は、金子原二郎知事が七年前に裏金の存在を知りながら、部下に「処理」を指示しただけで県民に公表せず必要な対策もとらず、「甘かった」というだけの知事の姿勢を厳しく批判しました。

違法行為を不問に
 「知事がしたことは、横行していた『預け』という違法行為を何ら追及せず不問に付して続行を許した」こと。「それまでの裏金を、『処理せよ』といって裏金として使う違法行為を知事が公認した。違法行為を是正するどころか促進したことになる。結局、三億三千五百万円もの税金の違法な使い方を許し、県民に多大な損害を与えた」
 過去に例をみない行政の不祥事に責任を明言しない知事にたいし、「『責任の一端』どころか、(不正告発義務を負い、解決のための権限をもつ)知事に全責任があるのではないか」と見解を正しました。
 金子知事は、これらの具体的指摘に反論できず、「当時の判断と処理が甘かったためにこうなったと思っている。各部局の担当者質問する中田晋介県議がチェックすべきだったが、それを指示しなかった」と、初めて公式に自らの責任を認めました。

県民や職員の声
 中田県議は席上、徹底解明を願う県民や県庁職員から寄せられた声の一部を紹介しました。
 「『預け』ついて、年度末に予算が残るかどうかは部長・課長の最大の関心事であり、(上司が)知らないことはありえない」。「事務費が削られるときの理由の一つは、『足りない分は金がある課からもらえばいい』といわれる|財政課が予算の横流しをさせている事実を認めない限り改革はすすまない」との声から、幹部も財政課なども含めた全容解明が必要とただしました。

 高原剛総務部長は、「指摘は真摯に受け止めたい」と答えました。
 知事が責任を認めたことで中田県議は、「知事の資質にかかわる問題であり責任をとってもらいたい」と強調。「制約された調査を打ち破るために、県政への付託を受けている県議会が百条調査委員会を設置して徹底究明を」と求めました。
 知事が自らの重大な責任を認めるなか、幕引きを許すのか強制力をもつ百条調査で全容解明をすすめるのか、いま県議会の姿勢が鋭く問われています。