佐世保で諫早湾干拓事業を考える学習会


 「諫早湾干拓への公金支出をやめさせる会」は十七日、長崎県佐世保市で学習会を開き、「諫早湾干拓農地住民訴訟」の堀良一弁護団事務局長が講演しました。

 農業振興公社をトンネルにした長崎県の干拓農地一括購入のための五十三億円違法支出は「暮らしと福祉を犠牲にする県民みんなの重大問題」と、県北地域で初めて開かれたものです。

 堀事務局長は、有明海異変の現状と「よみがえれ!有明海訴訟」の到達点をスライドも使って分かりやすく紹介。干拓事業は「貴重な自然環境を破壊し、被害を有明海全域に広げ深刻化させただけでなく、こんご干拓農地のリース化と調整池の維持・管理への莫大な税金支出が県民に多大な負担と犠牲を求める」と指摘しました。

 同氏は、審理が始まった住民訴訟について「干拓農地リース化の矛盾は法律的にも避けがたいもの。訴訟は県民を新たな被害者としないたたかい」と強調。明らかになった長崎県庁の裏金問題も「県民の税金をいい加減に扱っている点で根は同じ」とのべました。

 参加者からは、「諫早干拓が、漁民だけでなく県民全体を被害者にする大きな問題だと実感した」などの感想が出され、有明海再生の方向性や県庁裏金問題などに質問、意見が相次ぎました。