「しんぶん赤旗」2006/10/24
米軍弾薬庫内の火災に対し、原因究明など求め党が佐世保市に申し入れ


申し入れる、左からふちせ、山下、内田の各氏 長崎県佐世保米海市の軍前畑弾薬庫で火災が発生した問題で、日本共産党北部地区委員会、市委員会は二十三日、佐世保市に対し原因究明の徹底などを求める申し入れをおこないました。

 山下千秋佐世保市議、ふちせ栄子参院選挙区候補、内田武志党県平和基地対策責任者が参加しました。
 
 火災は弾薬庫敷地内の倉庫で発生。倉庫内には酸素ボンベなどがあり、近くには航空機用の爆弾の加工工場もあったことが報道されています。
 
 山下市議らは「今回の火災は佐世保市民にとって一歩間違えば、大惨事にいたる危険があった」と指摘。事故の原因究明のため日本側機関も立ち会うこと、調査結果の速やかな情報提供を求めることを要請しました。
 
 また、火災発生後、米軍が日本側の関係機関に連絡せず、住民の通報で出動した消防車の基地の立ち入りも拒否したことについて、「住民の生命や安全よりも軍事秘密を優先させたもの」と厳しく批判。事故発生時の立ち入り、通常の消防・安全管理体制チェックを地方自治体ができるように地位協定を見直しを政府に要求するよう求め、消防相互支援協定の見直し、前畑弾薬庫の即時撤去・返還を要請しました。

 応対した西野賢治助役らは「申し入れの内容もつけ加え政府に要請するよう検討する」と回答。消防協定についても「すぐに米軍に協議を求めたい」と答えました。

党の抗議申し入れを米軍が拒否

 
 米海軍佐世保基地のペイン司令官は二十三日、前畑弾薬庫内火災に抗議する日本共産党の申し入れを拒否すると正式に回答。「佐世保市民・団体の要望、意見は佐世保市役所が代表して米側に伝えている」として、市民からの意見・批判は直接聞かないという態度を示しました。

 日本共産党の山下千秋佐世保市議は、「市民からの批判的意見を聞く立場を完全に放棄し、地方自治体を市民の苦情窓口扱いする『植民地意識』そのものだ」と指摘。ファクスで抗議文を米海軍佐世保基地に送付しました。

 また山下市議は同日、日本共産党のふちせ栄子長崎参院選挙区とともに街頭に立ち、火災事故の原因究明と再発防止の徹底とともに前畑弾薬庫の即時撤去を求めることを強調。さらに、事故に対する米側の姿勢を厳しく告発し、「住民の安全確保を求める姿勢も反省もない。市民の安全性と軍事基地は絶対に両立しえない」と訴えました。