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「しんぶん赤旗」2006/10/25
核廃絶地球市民集会、フォーラム
被爆体験の継承とは
地域、世界に広げたい


 二十一日から三日間、長崎市で開催された第三回核兵器廃絶・地球市民集会ナガサキの分科会の一つとして二十二日、同市の追悼平和祈念館で「被爆者フォーラム」が開かれました。

 「核兵器廃絶へ向けた被爆者運動の今後と被爆体験の継承」をテーマ、被爆者や被爆二世、長崎の「平和案内人」、広島のNGOの代表がそれぞれの立場から問題提起、活発な討論が行われました。

 基調報告した舟橋喜恵広島大名誉教授は、「継承とは被爆体験と運動をつなぎ、広げること」とのべ、世界被団協結成へ日本の被爆者が指導的役割をと呼びかけました。

 長崎原爆被災協の山田拓民事務局長は、「核廃絶運動のカギは被爆国である日本政府の姿勢を変えること」と強調。被爆者運動の歴史を後づけ「戦争被害受忍論」の克服を訴えました。
 被爆二世の小浜ちず子さんは、被爆者の苦しみとともに自らのおいたちや白血病で死亡した友人など被爆二世の実態にふれ、消えることのない不安を訴え。「被爆二世の存在を認めさせ、放射能の危険性とその影響が次世代まで続くことを明らかにしたい」と強調しました。

 平和案内人の調仁美さんは、修学旅行生などへの被爆遺構案内を通して、被爆者の「想い」「願い」を伝えることの重要性を知り、核廃絶への道のりを受け継ぎ努力する決意をのべました。

 討論を通して、被爆者と被爆二世・三世、平和案内人との交流を積極的にすすめ学びあうこと。世代間の継承だけでなく運動を地域や世界に広げることの重要性が確認されました。