しんぶん赤旗」2006/10/15
給付打ち切りの被爆体験者
長崎県に支援改善を要請


 長崎被爆地域拡大連絡会(峰松巳代表)は十三日、長崎県の金子原二郎知事に対し、「被爆体験者支援事業の改善」を申し入れました。

 爆心地から半径十二`以内で被爆しながら被爆者として認められていない「被爆体験者」ら十五人が参加しました。

 「被爆体験者」への医療給付事業は、二〇〇五年六月の見直しで、三人に一人、三千人以上の給付が打ち切られました。
 峰代表は、知事が平和祈念式典で「国に対して対策の充実を求め努力を傾ける」とのべたことや、原爆症認定集団訴訟で画期的な地裁判決が続いていることを紹介。「除外した全被爆体験者に医療受給者証交付を」「受給者証更新を三年に一度に戻すこと」「被爆体験者は被爆者であり被爆者健康手帳を交付すること」などを国に強く求めるよう要請しました。

 参加した被爆体験者らは、「体験を話せない幼児被爆者を除外するのは許されない。幼児こそ放射線の影響が一番大きい。幼児から今までの不安も頭から消えることはない」などと次々に訴え。被爆者の立場にたつ被爆行政を求めました。

 応対した同県原爆被爆者対策課の藤田邦行課長らは、「居住要件の撤廃」など、「実施中の(除外者への)特別診断の結果を見て」改善を求めたいなどと説明。「みなさんの立場に立ってがんばります」と答えました。