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「しんぶん赤旗」2006/10/6
原爆症訴訟、長崎地裁
苦しみの半生訴え、却下処分取り消し求める

裁判傍聴のため入廷する支援者たち
 国に原爆症認定を申請し却下された長崎県内の被爆者が、処分の取り消しと精神的苦痛への賠償を求めて争っている原爆症認定集団訴訟の口頭弁論が三日、長崎地裁で行われました。

 この日は、第一陣と同時審理が進められている第二陣(原告五人)の第二回口頭弁論が行われ、長崎市内在住の二人の原告が意見陳述。支援者や被爆者ら約三十人が見守りました。

 爆心地から一・八`で十歳の時被爆した長谷勝さんは、顔から左半身が焼けただれ、半袖の服を着ることもできない熱傷瘢痕(はんこん‖ケロイド)で苦しみ続けてきた半生を語り、「結婚目前の息子が二十九歳で白血病で死亡した。悔しくてたまらない」と涙ながらに訴え。

 二・九`で被爆した末次良昭さんは、「被爆後は歯ぐきからの出血や貧血、下痢で登校できず、中学校のときは肺結核、成人後も肺炎、白内障、緑内障、腎臓(じんぞう)などを次々に患い、いま前立腺ガンで苦しんでいる。主治医は意見書に『被爆の可能性あり』と書いているのに、却下の理由は書かれていない」とのべ、却下処分の取り消しを求めました。

 裁判所は今後二回の審理で「来春三月二十七日をタイムリミットとしたい」と結審の見通しを示しました。
 「原爆症認定集団訴訟を支援する会・長崎」は十四日午後二時から、長崎市内の教育文化会館で「勝利をめざす長崎のつどい」を開きます。