しんぶん赤旗」2006/9/22
台風13号被害
長崎市議団が市内の被災現場を視察


 長崎市の西部を通り佐世保市付近に上陸した台風十三号の被災状況について、日本共産党長崎市議団は二十一日、同市内各地の災害現場を視察し被災者の声を聞きました。

 山本誠一市議団長、堀江ひとみ(県議候補)、中田ごう、津村国弘、内田隆英の五市議、牧山隆党市医療福祉部長、中西敦信党市青年学生部長が参加しました。

 海に面した二カ所の市道と堤防が百bを超える長さで崩壊・陥没した同市田中町では、暴風と高波が残した爪あとの凄まじさに、「テトラポットはどこにいった」「堤防の土台がなくなっている」など驚きの声があがりました。

 長崎港に面した高台の住宅ではあちこちにブルーシートが張られ、家屋の新旧にかかわらず、屋根が吹き飛んだ家屋も少なくありません(住宅被害七百戸以上)。稲佐山中腹にある木下善郎さん宅では屋根が丸ごと飛び、「屋根のソーラーが台所に落下し生きた心地がしなかった。今も電話が不通」といいます。

 ビワなどの果樹園や野菜畑、水稲などの被害とともに、街路樹や山沿いの樹木にも広範囲に塩害が確認されました。
 同市内では、約十三万世帯が半日から三日間もの停電にみまわれ、「九州電力に何回電話しても親切な説明がなかった」などの声が共通して聞かれました。
 同市議団は被災住民らの要望をもとに、住民生活を守る対策を市に申し入れることにしています。
22日に長崎市に申し入れた内容は次の通りです
2006年9月22日
長崎市長   伊藤一長様
                      日本共産党長崎市議会議員団
                           団長 山本 誠一

       台風13号被害対策の申し入れ

 7月中旬頃からの流木被害に続いて集中豪雨による県道野母崎宿線の陥没被害、さらに台風13号の直撃による家屋損壊などによって、市民生活に多大の被害をもたらしました。台風13号によって、市内の約15万世帯が、長時間(半日〜約3日間)におよぶ停電に見舞われたほか、家屋損壊は約600件を上回り、瓦を飛ばされた高台の家々には青いビニールシートがはりめぐらされています。さらに樹木の倒壊による被害が続出したほか、突風と塩害による農作物に対する被害は、はかりしれないものがあります。
 長崎県は、台風13号による被害総額は、9月20日午後4時現在で、80億3700万円におよぶと発表しました。しかし、調査がすすむにつれてさらに被害が上回ることが予測されます。 従って、市民生活を守るために下記のことを緊急に申し入れます。      

                   記                  
1.台風13号災害対策本部を設置し、速やかに抜本的な災害復旧対策を講ずること。

2.「台風被害市民総合相談窓口」の拡充強化をするとともに各支所・行政センターに職員を 派遣し、総合的な市民相談窓口を開設すること。           
3.今回の台風で住宅・家財等に被害を受けた市民に対し、市県民税、固定資産税・都市 計画税、国民健康保険税、介護保険料等を減免すること。          

4.災害ゴミの早期収集体制を確立すること。

5.被災市民に対する見舞金支給及び無利子の災害復旧融資制度を創設すること。

6.台風で破損した市営住宅の窓ガラス等は、速やかに改修すること。

7.びわ、イチゴ、水稲などの農産物被害に対する抜本的な救済対策(びわの木の樹勢回復のための速効性肥料支援など)を講ずること。

8.8月31日の集中豪雨と台風13号の相次ぐ災害で被害が拡大した県道野母崎宿線については早期復旧すること。同線の完全復旧までの間、保育園児の通園をはじめ、児童生徒の通学、さらに身体の不自由な方や高齢者などの通院などに不可欠な交通手段(交通費無料)を速やかに確保すること。

9.道路の決壊で交通が遮断されている千々町、大崎町、宮摺町の住民の生命・財産をまもるため、同地区に常備消防車・救急車を配備すること。

10.千々町の海岸沿いの家屋や、道路は台風の度に大きな被害を受けているため、抜本的な安全対策を講ずること。

11.田中町の海岸道路は、台風の度に決壊を繰り返しているので、抜本的な安全対策を講ずること。                             

12.住民の避難所を整備拡充(銭座体育館を利用した市民から、トイレ使用に困難をきたしたとの通報もあった)すること。
                                       以上