「しんぶん赤旗」2006/9/21
被爆クスノキ、嘉代子桜も台風被害


折れ落ちた「被爆クスノキ」の大きな枝
20日。山王神社。
 十七日、長崎県に上陸した台風十三号の暴風で、「被爆クスノキ」と「嘉代子桜」に被害が出ていることが明らかになりました。

 「被爆クスノキ」は、長崎市坂本町の山王神社にあり、原爆の被害からよみがえった「被爆遺構」として広く知られています。台風十三号によってその大きな枝二本が根本から折れて落下し、「坂本町民原子爆弾受難慰霊碑」を押し倒しています。
 「嘉代子桜」は、原爆でなくなった娘のために母親が同市の城山小学校校庭に桜六本を植えたもの(一九四九年)。今回の台風ではこのうち二本が根元から倒されました。最近痛みがひどいことから、樹木医の診断に基づき土壌改良の作業が行われている最中でした。

 日本共産党の堀江ひとみ同市議(県議候補)の問い合わせに対して、所管する原爆資料館は「『 被爆クスノキ』は「被爆建造物」のAランクに指定されており、九月の補正予算で対応したい」と回答。また、「嘉代子桜」については教育委員会が「改めて樹木医の診断を仰ぎ、対応を考えたい」とこたえました。

 長崎原爆被災者協議会(長崎被災協)の谷口稜曄会長は、「テレビなどのニュースを見ていて非常に心配していました。最善を尽くして、末永く残せるようにして欲しい」と話しています。

 根本から折れた「嘉代子桜」
 20日城山小学校