長崎被災協が、原爆訴訟で控訴した川崎厚労大臣に抗議文

 長崎原爆被災協(谷口稜曄会長)は8月12日、原爆症認定訴訟で広島地裁の判決に対して、国が控訴したことに強く抗議し、川崎次郎厚生労働大臣に抗議文を送付しました。
 抗議文の全文は下記の通りです。

                              2006年8月12日

厚生労働大臣 川崎 二郎 様
                       (財) 長崎原爆被災者協議会
                             会長 谷口 稜曄

           控訴に対する抗議文

 私たちは、貴職が、昨11日、原爆症認定訴訟での広島地裁判決に対して控訴されたことについて、心の底からの憤りをもって抗議し、控訴の撤回を求めるものです。

 2000年7月の松谷英子さんの事例に対する最高裁判決以降、京都・小西さん、東京・東さんの事例が高裁判決で確定しており、さらにことし5月の大阪地裁での9名、8月の広島地裁での41名の事例と、これまで計53名について、司法の場では厚生労働大臣の却下処分が完全に覆されている事実を、貴職らはどのように受け止めているのでしょうか。

 かって最高裁は、被爆者の障害は、「遡れば戦争という国の行為によってもたらされたもの」との見解を明らかにし、原爆医療法は「戦争遂行主体としての国が自らの責任によりその救済をはかるという一面をも有するもの」であって、単なる社会保障ではないと規定しました。貴職の大阪高裁、広島高裁への控訴は、この最高裁判決の本旨にも悖るものであって、行政の横暴さを示す以外の何ものでもありません。

 大阪地裁判決に対する控訴と併せて、本件控訴を直ちに撤回し、判決を厳粛に受け止めるとともに、ただちに原爆症認定審査のあり方の抜本的改善に取り組まれるよう要求します。