「しんぶん赤旗」2006/8/8
広島原爆症訴訟の勝利判決を報告
「国は控訴しないで」と支援する会が街頭宣伝・署名


 広島地裁での原爆症認定集団訴訟で原告四十一人全員が全面勝訴したことをうけ、「原爆症集団訴訟を支援する会・長崎」は五日、長崎市浜町アーケードの大丸デパート前で、大阪地裁につぐ広島地裁での全面勝利判決を報告するビラを配り、「控訴しないで」の要請はがきへの協力を呼びかけました。

 街頭宣伝には支援する会のメンバーや被爆者ら十数人が参加しました。 同支援する会の山田拓民事務局長らは、「原爆症と認められているのはわずか二千二百人程度、1%にも満たない」「広島地裁判決は、五月十二日の大阪地裁の勝利判決に続き被爆者の要求を認めたもの。国は控訴せずただちに被爆者援護行政の見直しと認定制度の改善を」と訴えました。

 広島、長崎の原爆の日を前に市民の関心も高く、ビラを読み「よかったですね」とにこにこ顔で駆け寄ったり、「長崎でもぜひ勝利を」と声をかける市民の姿が目立ちました。
 「二人とも被爆二世なんです」といってビラを受け取った二人連れの男女は、「暑いなかたいへんですががんばって」と被爆者を励ましていました。長崎市内に住む男性は、「川崎厚生労働大臣様・あなたは六十一年間の被爆者の苦しみに痛みも責任も感じないのですか」「控訴するな!」と要請ハガキに書き込んでいました。

 行動に先立ち、同市内で広島地裁判決の報告集会が開かれ、中村尚達弁護団長は「簡単に勝てるわけではないが、さらに運動を広げよう」と、長崎地裁での勝利へいっそうの支援を訴えました。