長崎市役所 「九条の会」結成
同市香焼町

  「憲法九条まもれ」の声が広がるなか、長崎市役所の職場と、長崎市に編入された香焼町で相次いで「九条の会」が結成されました。これで長崎市内の「九条の会」は、九地域、四職場、二階層・分野の合計十五となりました。

 越中氏が「和の気持ちこそ必要」
 「ながさき市役所九条の会」は、民主的医療機関の職場に続く、職場「九条の会」の結成です。同市職員と市関連職員、同退職者で構成、六十三人が呼びかけた二十一日の結成総会には七十人を超える人たちが駆けつけました。
 「長崎県九条の会」から越中哲也共同代表(長崎歴史文化協会理事長)があいさつ。
 越中氏は千四百年前の聖徳太子の十七条憲法一条を紹介、「争いがあるから和がある。和の気持ちをどう持ったらよいかを考えることこそ必要」と平和への日常の思いを語りました。
 討論では結成への市当局介入の動きも紹介され、参加者は「公務員の義務として憲法九九条を守ることこそ正当」「いまの政治は自由な競争といって男女も老若も障害者も同じ土俵でたたかわせているようなもの。弱いものの立場にたってこそ真の平等」などと批判、共感の拍手が起こりました。
 総会では、「被爆地の市職員としての特別な意義を自覚し、戦争放棄と戦力不保持をうたった憲法九条を守り生かす歴史的な運動に参加を」と、全職員に訴えるアピールを採択しました。

香焼では高見大司教が講演
 二十二日には、同市香焼町の公民館で「香焼九条の会」が結成され、「県九条の会」呼びかけ人の高見三明氏(カトリック長崎大司教)が記念講演しました。住民約八十人が参加しました。
 高見氏は、憲法前文を読み、ローマ法王の言葉も紹介して「武器による解決は憎しみの連鎖をつくりだすだけ。相手を尊重し平和なよい関係をつくることが大切」と強調。経済や環境、平和の問題では宗教者も必要なことを発言していくことが大事と語りました。
 同会では、憲法九条を守る住民過半数の署名を集めることなどを決めました。