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 「しんぶん赤旗」2006/7/19-20
 被爆者行政の改善など迫る
 党長崎県委員会が対政府交渉

 日本共産党長崎県委員会は、地方議員・候補ら十五人が政府交渉のために上京し、十八、十九の両日、十省庁に四十九項目の要望をしました。
 政府交渉には、中田晋介県議を団長、堀江ひとみ県議候補(長崎市議)を副団長にして、渕瀬栄子参院選挙区候補、中田剛、津村国弘、内田隆英各長崎市議、牧山隆、中西敦信両長崎市議候補、山下千秋佐世保市議、木村和俊諫早市議、久野正義大村市議、上田篤雲仙市議、江川美津子五島市議、武本哲勇対馬市議、中里研哉建交労長崎県本部委員長が参加しました。
 赤嶺政賢衆院議員、田村貴昭衆院比例候補、春名なおあき参院比例候補が同席しました。

 被爆者行政について、@国家補償を明記した被爆者援護法の制定A被爆の実態に即した原爆症認定の要望B被爆体験者支援事業の充実について要望しました。
 「被爆体験者」として医療費給付する制度が発足してわずか三年で改悪され、「被爆体験の記憶がない者は対象外」として当時幼児だった人を除外したり、精神疾患に厳格化し、対象者の三割、三千人以上が切り捨てられた問題では、創設時にもどすことなどの改善を求めました。
 被爆体験者支援事業は、被爆地域が旧長崎市の行政区域で指定されたため、被爆者でありながら被爆者と認められておらず、未指定被爆地域の住民が県・市と一体となって運動した結果、二〇〇二年に始まったものです。
 赤嶺議員、堀江、津村国弘両長崎市議らは「新たなふるい落としであり、だんだん縮小されている。本来は被爆者であり、改善するのが本来の姿だ。切り捨ては許されない」と批判し、被爆体験者の立場に立った改善を求めました。

 トンネルじん肺訴訟で国の責任を認める判決が相次ぎ、国の控訴断念とじん肺根絶対策が求められている問題では、トンネル現場をはじめとする粉じん職場からじん肺を根絶するために対策をとるように求めました。
 厚生労働省は「所轄であるが、今回は回答できない」とのべ、同日に厚生労働大臣が不当に控訴。原告らは「生きているうちには解決しないという態度だ」と激しく批判しました。

 障害者「自立」支援法では、精神障害者の小規模作業所が法人資格をとるのに実利用者数十人が必要とされる問題で、厚生労働省の担当者は「(実利用ではなく)平均して十人程度でいいと市町村に周知したい」と答えました。
 労災保険の民間開放に反対を貫くよう求めた要望に、同省担当者は「国としておこなうべきだ」との見解を示しました。

 外務省では、核兵器廃絶への指導的役割の発揮、被爆地長崎港への米艦船入港中止を米政府に要請すること、米軍佐世保基地の空母準母港化計画を容認しないことなどを要望しました。
 有吉孝史・外務省日米地位協定室首席事務官は「(長崎港への米艦船入港中止の)要望があったことを米側に伝える」とのべました。核保有国も核兵器の廃絶を明確に約束した核不拡散条約会議の合意の実現について、「次回会議に向けて外務省としても努力する」としました。

 政府交渉ではそのほか、本明川ダム計画の中止、急傾斜地などの防災対策予算の増額、長崎空港の自衛隊ヘリ騒音被害の解消、療養病床の削減では離島や過疎地域の特性を考慮した特別枠の設置、カネミ油症被害者の救済などを求めました。