諌早湾干拓「時のアセス」
 「科学の目で」と要請
 諌早湾干拓緊急救済本部など


 諌早湾干拓事業の「時のアセス」(五年ごとの国営事業再評価)が始まったことで、諌早干潟緊急救済本部(山下八千代代表)と環有明海住民運動連絡協議会(岩井三樹事務局長)は十三日、長崎県諌早市で「時のアセス」第三者委員会(委員長・加藤治佐賀大学教授、六人)に「科学的な目で、県民のためになる『時のアセス』を」と要請書を提出しました。

 同委員会が事業現場を視察するのに合わせ、同市の白木峰高原で行ったもの。佐賀の漁業者・川崎賢郎さんらが加藤委員長に手渡しました。

 「要請書」は、浄化能力を失った調整池の水質改善に膨大な財政支出が求められていることや、漁業被害のいっそうの広がりを憂慮。長崎県が決めた「干拓農地のリース方式」について、「なぜ脱法してまで、長崎県の公金を支出する必要があるのか不思議」と指摘しています。

 専門家の試算では、「(諌早湾干拓事業の)費用対効果は〇・十九で六千四百億円の赤字」とされていることも紹介、科学的で公平な再評価を要請しました。
 
要請には、長崎と佐賀の市民や漁業者ら十人が参加。八日に開かれた「時のアセス」第三者委員会で、「農地利用が中心的テーマ」と報じられていることから、有明海全体の漁業、環境問題にも目を向けるよう訴えました。


 有明海再生へ 25日にシンポジウム
  
 諌早湾干拓事業の矛盾と問題点を専門家や研究者の目で明らかにし、事業見直し、宝の海・有明海再生の展望を明らかにするシンポジウム−市民による諌早湾干拓「時のアセス」2006−に参加を。

▽六月二十五日(日)午後一時半
▽長崎ビューホテル(長崎市大浦海岸通り電停前)
▽講演 
 ・佐々木克之前中央水産研究所室長
   「調整池水質問題や有明海漁業不振と諌早干拓の関係」
 ・宮入興一愛知大教授
   「諌早湾干拓縮小計画の費用対効果」
▽パネルディスカッション
 「原因裁定・時のアセス後の展望と地域おこしの方向性」
 連絡先・「よみがえれ!有明海訴訟」を支援する長崎の会。
   電話〇九五・828・6176(県労連内)