「昔はあぶったスルメ、今は柔らかい一夜干しが人気です」ー。

 長崎県対馬市小鹿の漁港。真っ白な「松いか」をつるして回転させ、遠心力と冷たい海風を利用して乾燥させる作業が早朝から始まりました。

 数人の女性たちが、一パイづつていねいに横串を入れ形を整えていきます。「回すよ!」の合図で、千バイ以上の「松いか」たちがいっせいに胸を張り、足を精一杯のばしました。

 三十数年前までは火力による乾燥方式、原油高騰で今の方式になりました。
 薄くならず美味しく乾燥できるといいます。「『禍転じて福となす』ですよ」と当時を振り返る担当者AI。
 
 「でも人口減と人手不足で、この作業も激減しました。ここもあと一〜二年かな」と寂しそうです。

対馬風物詩
「いか」の回転乾燥風景

「しんぶん赤旗」2006/3/30