長崎市・うらかみ憲法九条の会
高見カトリック大司教が講演し「最後は武器という考えでは真の対話はない」


 長崎原爆の投下中心地となった浦上の地で活動する「うらかみ憲法九条の会」は十一日、長崎市岡町の長崎被災協講堂で講演会を開き、カトリック長崎大司教の高見三明氏が「今、うらかみの地から愛と平和を」と題して講演。
 地元の市民や被爆者、カトリック信者ら約百二十人が参加しました。

 同氏は、「祈るだけで何も言わないのはだめ」との強い思いから、「県九条の会」呼びかけ人に名を連ねています。

 高見氏は、「日本国憲法は平和志向の精神に貫かれており、その核となるのが九条」として九条の価値を強調、「自衛軍」の海外参戦まで任務としている自民党新憲法草案を批判しました。

 高見氏は、「国民と為政者は家庭と社会の平和をつくることに心を砕き、近隣諸国との平和的な交流と外交を常に心すべき」とのべ、靖国や米軍再編問題など「(政府は)戦争機運を高めることをしているのではないか」と懸念を表明。カトリックの教えも紹介しながら、「最後は武器という姿勢では真の対話にはならない」とのべました。 参加者からは、宗教者が過去の戦争や憲法など、平和問題で外に向かって発言することに敬意を表する声や、9・Zテロを口実に軍備を拡大する動きを憂慮する意見が相次ぎました。

 「うらかみ憲法九条の会」は昨年七月に結成。四月には、ビデオ「日本国憲法」上映や被爆体験を聞く集いを予定しています。

「しんぶん赤旗」2006/3/15