「しんぶん赤旗」2006/2/11全国面
米艦長崎入港、「被爆地長崎への強行入港絶対反対」「米艦船は出て行け」と怒りの声響く


 「被爆市民の感情にあわない」という声を逆なでするように、核搭載可能な米海軍のイージス駆逐艦「ステッセム」が十日、長崎港に入港。接岸したふ頭で緊急抗議集会が開かれ、「有事法制に反対する長崎県連絡会」と「憲法改悪反対ながさき連絡会」のメンバーらは、「長崎港を軍事利用するな」と唱和しました。

 先の知事選で「米軍基地強化を許さない」と訴えた山下満昭氏は、「ランタン祭さなかの長崎、被爆者の怒りをよそに入港する無神経さに怒りを禁じえない。知事はキッパリ入港を拒否し、ただちに出て行くよう求めるべきだ」と語りました。


「しんぶん赤旗」2006/2/11九州面
百五十人が怒りの唱和。「『友好親善』とは無縁の戦争準備」「知事はキッパリ入港拒否を」の声

 核搭載疑惑が濃厚な、米海軍のイージス駆逐艦「ステッセム」が十日朝、被爆地長崎に入港しました。「有事法制に反対する長崎県連絡会」と「憲法改悪反対ながさき連絡会」は、同艦が接岸した柳ふ頭(長崎市小ヶ倉町)で緊急抗議集会を開きました。

 テロ対策を理由に接岸場所での集会を拒否され、鉄柵と有刺鉄線越しに平和運動センターと共同の集会となりました。

 県知事も市長も入港回避を求めているなかでの今回の強行入港。約百五十人の参加者は、「なにが『友好親善』だ」「なぜ長崎なのか」と怒りの声をあげ、「米軍は長崎から、沖縄から、日本から出ていけ」と唱和を繰り返しました。

 米軍基地強化がすすむ佐世保から駆けつけた、日本平和委員会の山下千秋全国理事(日本共産党佐世保市議)は、「(長崎入港は)在日米軍再編の一環であり、日米共同作戦計画の拡大・具体化のための民間港湾調査。長崎市民の『核ならし』から、港の米軍基地化を狙う段階になっている」とのべ、米軍再編に反対する全国の首長に学び、港湾管理者である県知事が拒否の姿勢を明確にするよう求めました。

 市民運動ネットワークの舟越耿一代表は、「国民保護法など戦争モードの政治が急ピッチで動いている」と、戦争反対の世論を高める運動を訴えました。

 被爆者の川野浩一さんは、「被爆市民の怒りの声がなぜ鉄柵越しなのか。『友好と親善』とは無縁だ」と、百b先の軍艦に怒りをぶつけました。

 同艦の接岸場所は、二〇〇二年六月に米艦船「カーティス・ウィルバー」が接岸した松ヶ枝観光ふ頭から車で南に十五分ほど。周囲に倉庫や海運会社などが集中し、三菱長崎造船所香焼工場が海を隔て隣接しています。出港は十三日の予定です。