爆心地近くに九条の会
長崎市で「西浦上九条の会」を結成
 郷土史家の越中哲也さんが平和の尊さを講演


 「憲法改悪阻止」の世論が波紋となって広がるなか、長崎市北東部の西浦上地区で11日、「西浦上九条の会」が結成されました。

 この地域は長崎原爆の爆心地のすぐ北に位置し、甚大な被害を被った所です。代表世話人に選出された女性史家の葛西よう子氏や、川平地区民生委員の小林蕃氏、元高専教授の三浦博史氏をはじめ、医師や弁護士、被爆者、町内会役員など十七氏が呼びかけたもの。同市の文教町公民館に六十人を超える人たちが集いました。

 講演した「県九条の会」代表委員の越中哲也氏は、先の大戦で「学徒動員で出陣するとき『死んで来い』と言われて送り出された」と自らの体験にもふれ、「聖徳太子の憲法一条は、和をもって尊しとなす」だったと平和の尊さを説きました。

 「平和のために何かしたい」と県立シーボルト大学の紙芝居研究会が被爆者の話をまとめ、壁画家の松井エイ子氏がつくった平和紙芝居「二度と」が披露されました。静かな語りのなかに原爆の凄まじさが伝わり、目頭をおさえる人の姿も見られました。また、長崎弁で、憲法九条、二十五条、九十九条を紹介した新婦人の女性たちに「その通り」と共感の拍手が送られていました。

 集いでは、「平和憲法を守ることは、未来の世代に対する私たちの責任」と、草の根からの運動を呼びかけるアピールを採択しました。

「しんぶん赤旗」2005/12/15