長崎平和委員会12月例会
三菱重工はダントツの軍需生産、イージス艦の建造相次ぐ


 艦船など、防衛庁発注の軍需生産で二千八百億円(二〇〇三年度)と、ダントツの契約実績を持つ三菱重工業。その中心事業所でもある長崎造船所では、豪華客船建造後、イージス艦をはじめとした最新鋭の艦船建造が相次いでいます。
 五隻目のイージス艦「あたご」はこの八月、かつて戦艦「武蔵」が建造された第二船台から進水しました。
 このほと゜、ながさき平和委員会の十二月例会で、同造船所勤続四十五年で昨年九月に退職した錦戸淑宏氏(全造船機械三菱長船分会執行委員)が講演したものです。
 錦戸氏は、同造船所の戦後の動きについて「警察予備隊が、保安隊を経て一九五四年に自衛隊となり、その性格を一変させたことに歩調を合わせて軍需生産を再出発させた」と解説。その成長の過程で労働組合が分裂させられ、職場支配と思想攻撃が強められたと振り返りました。
 また同造船所では近年、技術低下が指摘され、製品への相次ぐクレームが問題になっています。その背景に、一万六千人体制時(七五年)に4・9%だった管理職・特別専門職比率が、三十年たった〇五年三月には六千人体制に激減したうえ、同比率が21.3%にもなっていることなどが指摘されています。
 錦戸氏は、「会社の方針は、五年後に四千人台まで人減らしをすすめること。技術をもった社員を減らし、下請けと派遣労働者の使用という無理なコストダウンでは技術の継承・再建にはつながらない」と話しました。
 例会参加者からは、「派遣労働者にたよるやり方で製造業として企業はなりたつのか」など、疑問や質問が出されていました。

「しんぶん赤旗」2005/12/07