本明川で特定外来魚ブラックバスを初確認
河口の汽水魚が激減


 今後の川づくりの基礎資料とするため、「河川水辺の国勢調査」をすすめている国土交通省長崎河川国道事務所は十八日、長崎県諌早市を流れる一級河川・本明川流域の四地点と、支流の半造川の一地点での調査速報を発表しました。
 今年の七月と十一月の二回、投網などを使って実施したもの。発表によれば、飼育や運搬、保管などが原則禁止されている「特定外来種」のブラックバス(オオクチバス)が初めて確認され、外来種のゲンゴロウブナも初めて見つかりました。五年前に初確認されたカダヤシ、カムルチー、タイリクバラタナゴ(いずれも外来種)は今回も確認されました。
 「特定外来種」とは外来生物法によって、海外を起源とする生物のうち、生態系や人の生命・身体、農林水産業への被害を及ぼすもの(またはおそれがあるもの)の中から指定され、規制や防除の対象となります。同事務所の担当者は、「外来種は、人の手で放流されることで入ってくる。年月をかけて生態系が変化することは十分考えられる」と話しています。
 また、諌早湾干拓事業によって淡水化された河口域(不知火橋付近)では、これまで確認されていた汽水域(淡水と海水が混ざり合う水域)の魚二十種(トビハゼ、スズキなど)のうち、確認されたのはクルメサヨリの一種だけで、周辺の生態系が変っていることが明らかになりました。

「しんぶん赤旗」2005/12/01