三方山水源訴訟
二度目の現場検証でも下水汚泥などが次々、悪臭にハエが

 長崎市民が使用する水道水の約四割を供給する神浦(こうのうら)ダム上流の三方山にある産業廃棄物処分場‖長崎市松崎町‖で八日、「三方山水源訴訟」の現場検証が行われ、四カ所の掘削地点すべてから、黒い下水汚泥や金属片が確認されました。汚泥は、原告側の指定になかった「スイカ畑」の下からも発見され、不法投棄がその前から行われていたことも明らかになりました。

 現場検証は、医療廃棄物や下水汚泥などが大量に確認された二〇〇三年九月に続き二回目。裁判官や原告、被告業者、国、市の関係者など約四十人が参加し、「上司の指示でここに投棄した」と原告側証人が指定していた六カ所のうち四カ所が重機で掘削されました。
 検証後の会見で原告側代理人の梶山正三弁護士は、「真っ黒な汚泥は悪臭がひどく、この季節にこんなにと思うほどのハエが群がり驚いた。証人の指摘通りの結果で(不法投棄の)証言の信ぴょう性が動かしがたい事実で明らかになった」と報告しました。
 同訴訟は、長崎市の許可を受けた産廃業者「長崎三共有機」が長期に渡って不法投棄を続け、市民の水源が汚染されているとして操業停止や原状回復などを求めているものです。最近の三方山流域の水質調査では、硝酸性窒素などが基準値を大きく超え問題となっています。二度に渡って不法投棄の実態を突きつけられた長崎市の対応が注目されています。

「しんぶん赤旗」2005/11/11