石綿電話相談、二日間で中皮腫死亡の遺族らから三十件


 長崎市内で十六、十七の両日、市民団体による初めての「アスベスト電話相談」が行われ、中皮腫で死亡した人の遺族や、アスベストを扱う職場で働いていた人らから三十件の電話が寄せられ、関心の高さが浮きぼりになりました。
 実施したのは「なくせじん肺・アスベストー全国キャラバン」実行委員会。同実行委員会に参加する相談員や保健師、弁護士、研究者らが相談内容に合わせて相談に応じました。
 死亡診断書の「中皮腫」という病名を憶えていたという女性は、「義父が六年前に苦しみながら亡くなった」と訴えました。七十歳の男性からは、「退職前の職場からアスベスト健診の案内がきたが予約でいっぱい。胸部下が痛み不安」と病院紹介の依頼でした。
 「十年間、アスベストを日常扱う職場で働いていた」などの不安や、「自宅の天井にアスベストが使われていて、どうすればいいか夜も眠れない」との声も聞かれ、相談員のていねいなアドバイスが十五分を超える事例もありました。
 同実行委員会では、「市民の関心の高さが伺えた」「三菱関係の人の相談が目立った」とのべ、@中皮腫で亡くなった人の対策 A自宅や駐車場など生活圏での不安 B危険性の調査や健診の受け方|などの相談が多かったといいます。
 相談員の一人で三菱長崎造船所で四十三年間働き「石綿肺」と診断された太田哲郎さんは、「被害者は労働者や市民。労災申請や手続きを含め、被害者の立場で親身の相談にのれるよう体制をとりたい」と話しています。
 今後の相談は、「じん肺・アスベスト根絶三菱長船の会」。長崎市恵美須町、電話095(832)6888、FAX095(832)・6889へ。

「しんぶん赤旗」2005/10/20