佐世保基地のヘリ墜落事故
仁比参議院議員ら党調査団が駐屯地で事故調査
「訓練は日常」事故は偶然ではない


 長崎県佐世保市の陸上自衛隊相浦駐屯地で公開訓練(模擬戦)中の対戦車ヘリAH|1Sが墜落した事故で三日、日本共産党の仁比聰平参院議員を団長とする調査団は、事故現場を視察し、大塚敏郎司令らから説明を受けました。
 事故は九月十八日、同駐屯地創立五十周年記念イベントで、観客二千人の目前で起きました。同訓練は、ヘリが敵地を偵察、レンジャー部隊が空路潜入したところ戦闘に進展し、小銃小隊、戦車、迫撃砲、りゅう弾砲、オートバイを繰り出し敵を殲滅(せんめつ)するという設定で、ヘリは超低空で射撃し味方部隊を援護しながら離脱する予定でしたが、右旋回したときにローター(回転翼)が地面に接触して、観客席から約百bで墜落したもの。
 現場には、ローターがえぐった地表跡が生々しく残っています。接触地点と墜落地点との距離は調査団が見たところ、およそ六十、七十bはあります。ヘリが逆方向に横転するなど一歩間違えば、観客に被害がでる大惨事になる可能性があったことを示しています。
 大塚司令らは事故のあった訓練について、「日ごろ行っている訓練の一端を紹介するもの」とのべ、同様の訓練は、「ふだんから駐屯地でも、演習場でも行っている。超低空訓練は背振(福岡・佐賀両県境)など演習場外でも国土交通省の許可を得て行っている」とのべました。
 仁比議員は調査後、基地ゲート前で記者団に対し、「実践を想定した同様の訓練が、実際に佐世保でも、九州の山間地でも、日常的に行われていて、たまたま起こったわけではない。国民・住民の安全にとって重大だ」と指摘しました。
 調査団は、事故現場のほかに、全国初の「離島防衛」即応部隊をもつ同駐屯地内のレンジャー訓練塔、水路潜入訓練場を視察。その後、市内の市民団体の人たちと懇談しました。
 調査には、赤嶺政賢衆院議員代理、田村貴昭衆院比例九州沖縄ブロック候補、山下千秋佐世保市議、渕瀬栄子党国会議員団長崎県事務所長らが参加しました。

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「しんぶん赤旗」2005/10/04