波佐見町で棚田まつり
実りの秋、沿道の「かかし」に見物客拍手


 実りの秋を迎えた長崎県波佐見町鬼木地区。二十三日、恒例の「棚田まつり」が開かれ、収穫祭や卵のつかみ取り、鬼木浮立の上演などでにぎわいました。
 人気は沿道に立てられた六十数体の「案山子(かかし)」。農作物に害を与える鳥獣を退散させる「かかし」が、ここでは世相を連想させるものばかり。「振り込めサギ」に怒る「本家・俺おれ鷺(さぎ)」のかかし、「きょうは許さんぞ」と電柱に登ったイノシシを追う農民かかし、幼児が「サイゴージョンコ〜」と歌いながら駆け寄るジョンコかかしなどなど。「党酒(首)討論会」の政治かかしも。
 まわりの棚田は、頭(こうべ)を垂れた稲穂で輝き、彼岸花が紅く縁取っていました。
 佐世保市から初めてきたという女性は、「いっしょに並べばどれがかかしかわかりませんね。笑っちゃいました」と日本の原風景を楽しんでいました。
 かかしは十月十六日まで展示されます。

「しんぶん赤旗」2005/9/25