陸上自衛隊・特殊部隊が佐世保市のアーケード街をパレード
子どもたちの目の前を銃携行し完全武装で
市民団体は抗議の宣伝


 戦闘迷彩服と、小銃や機関銃で完全武装した陸上自衛隊西部方面普通科連隊(長崎県佐世保市相浦駐屯地)など約二百七十人の軍事パレードが十七日、佐世保市の中心地にあるアーケード街一`で強行されました。
 同市PTAの「チャリティーバザー」や朝市で賑わい、買い物する市民や子どもたちの目の前を、海自音楽隊の「軍艦マーチ」「君が代行進曲」が示威行進を先導。約三十分間、周辺は異様な雰囲気に包まれました。
 原水爆禁止佐世保協議会と佐世保市平和委員会の代表十数人は、「武装軍事パレード反対」の横断幕をかかげ、「憲法九条守れ」「戦争する国づくりやめよ」とこぶしをあげ、ビラを配ってパレードに抗議しました。
 同連隊は、二〇〇二年に創設された特殊部隊。最初のパレードは同アーケードでしたが、「過激すぎる」として銃携行は中止。翌年は「市民の理解を得たい」と、銃を携行して国道での完全武装行進となりました。その後海自音楽隊が参加。今年、銃を携行しアーケードでの武装軍事パレードとなったものです。
 佐世保原水協の山下千秋理事長は、年々エスカレートする動きに対し、「憲法九条削除などの流れと機を一にし、いつでも海外での武力行使に加わる態勢にあることをアピールするためのもの。次は戦車を繰り出すのか」と警告しました。
 市内に住む篠原勝広さんは、「佐世保も無気味な街になったなと思う」と言葉少なです。元教師という女性は、「もう、変な時代じゃすみませんね。孫たちの世の中が平和であってほしい」と、不安な思いを語っていました。


 十七日、長崎県佐世保市の繁華街で陸上自衛隊特殊部隊の武装軍事パレードが実施され、報道に接した滋賀県在住のT・Kさんは、同市の山下千秋市会議員に「背筋が凍りついた」と、怒りと衝撃のメールが届きました。
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 いくら基地の街といえども、平和運動の盛んな長崎で、こんな光景が日常に入り込んでくるとは思いませんでした。九州へはまだ一度もいったことがありませんが、「佐世保」だけは何があっても一生行かないことを決意しました。全国にこのニュースが流れ、全国の人に衝撃を与えたことの重大性に地元の人は気付いていないでしょう。

「しんぶん赤旗」2005/9/20