諫早市の大型ゴミ処理場
「欠陥施設」の指摘のなか、ガス化溶融炉の実態学ぶ


 長崎県諫早市の大型ごみ処理施設「県央県南クリーンセンター」(広域環境組合管理)が、規定の処理能力を発揮できず「欠陥施設では」と大きな問題になっているなか、広域ごみ焼却場に反対する諌早市民団体協議会(藤原帝見代表)は十六日、同市内に環境問題フリーライターの津川敬氏を招き学習講演会を開きました。約九十人が参加しました。
 津川氏は、多発している「ごみガス化溶融炉」の事故例を紹介。同センターが採用している「サーモセレクト方式」(ごみ溶融時に発生するガスを改質し、再利用する)の溶融炉でも、「爆発事故の原因が初期トラブルとか単純ミスで処理され、リスク管理のノーハウも蓄積されていない」と危険性を指摘。とくに「溶融炉が急停止したとき、生ガスが炉内に滞留し、施設を守るため『放散塔』からダイオキシンや重金属が放出される」「ここの施設でも行政は完全に業者丸投げ、責任を取らないシステムのまま」と強調しました。
 日本共産党の木村和俊諌早市議(広域環境組合議員)は、「助燃材の天然ガスや液体酸素を毎日大量に使用し、やっと運転している状態なのに、組合は責任ある説明をしない」と、同組合議会の実態を報告しました。
 参加者からは、「欠陥施設は明らか。契約前に戻すべき」「アスベストが搬入されたらどうなるか」などの意見・質問、無責任な行政への批判が相次ぎました。

「しんぶん赤旗」2005/9/21