核兵器廃絶こそ人類生存の道
日米歴史学者が「原爆投下」でシンポ


 長崎に原爆が投下されて六十周年となる九日、「広島・長崎への原爆投下の意味を改めて考え、ともに核廃絶の展望をひらこう」と呼びかけた、日米の歴史学者によるシンポジウムが長崎市内で開かれました。立命館大学国際平和セミナー、長崎平和研究所、アメリカン大学による共催です。
 福岡大学の西嶋有厚・名誉教授は、「原爆投下終戦論の誤り」について歴史資料などを使って解明しました。西嶋氏は、「本土決戦」にあくまで固執する陸軍指導部が、初めは原爆投下の事実すら認めようとせず、終戦論議にも応じようとしなかったと指摘。終戦論議に応じざるをえなくなったのは、ソ連の参戦で「最後の期待」がくずれたからだと説明し、原爆投下を日本降伏の直接要因とするのは誤りだと主張しました。
 アメリカン大学のピーター・カズニック教授は、アメリカの原爆投下にいたる過程の史実を検証しながら、「核兵器の犯罪性」を告発しました。
カズニック氏は、当時のアメリカ政府が、原爆を投下しなくても日本が降伏する可能性があることを認識していたこと、原爆投下がもたらす破壊力を十分認識した上で使用したことを報告。「すべての核兵器をなくすことが、人類がこの地球で生きていく唯一の道」とのべました。
 日米の学生、市民など七十人余りが参加。熱心な質疑応答が交わされました。

「しんぶん赤旗」2005/8/12